近江八幡市で家を選ぶ時のポイント

はじめに

滋賀県のほぼ中央、琵琶湖の東岸に位置する近江八幡市。

かつて城下町・商業都市として栄えた歴史的な風情と、琵琶湖や水郷が織りなす豊かな自然が調和する、魅力あふれる街です。

近年では、京都や大阪へのアクセスの良さからベッドタウンとしても注目されています。

この記事では、そんな近江八幡市で理想の住まいを見つけるために、知っておきたい魅力や家選びのポイント、そして特色を活かしたエリアの選び方をご紹介します。

近江八幡市に住む魅力

近江八幡市の最大の魅力は、「歴史・文化」「豊かな自然」「交通の利便性」という三つの要素がバランス良く共存している点にあります。

• 歴史が薫る美しい街並み：豊臣秀次が築いた城下町を基礎とし、近江商人の故郷として発展した歴史を持ちます。八幡堀や新町通り周辺は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、白壁の土蔵や格子窓の町家が軒を連ねる美しい景観が今も大切に守られています。
• 琵琶湖と水郷がもたらす自然の恵み：日本最大の湖・琵琶湖に面し、ラムサール条約に登録された「西の湖」をはじめとする水郷地帯が広がっています。ヨシ原が広がる牧歌的な風景の中での水郷めぐりや、カヌー、釣り、キャンプといったアウトドアアクティビティを身近に楽しむことができます。
• 京阪神への良好なアクセスと生活利便性：JR琵琶湖線「近江八幡」駅は新快速の停車駅であり、京都駅まで約35分、大阪駅まで約65分と、通勤・通学にも便利な立地です。駅周辺には大型ショッピングモールや家電量販店、医療機関などが集まっており、日常生活で不便を感じることは少ないでしょう。

このように、歴史的な情緒を感じながら、自然に親しみ、かつ便利な都市機能も享受できるのが、他の地域にはない近江八幡市ならではの魅力と言えます。

近江八幡市での家選びで押さえるべきポイント

近江八幡市で家を選ぶ際には、市の持つ独特の背景を理解することが重要です。

特に歴史的景観の保全への意識の高さと、エリアによる交通事情の違いは、住まい選びに大きく影響します。

景観条例と建物の制約を理解する

近江八幡市、特に八幡堀周辺や旧市街地は「近江八幡市風景づくり条例」などにより、景観が厳しく保護されています。

このエリアで家を建てる、あるいは購入してリノベーションする際には、建物の高さやデザイン、外壁や屋根の色などに一定の制約があります。

歴史的な街並みとの調和が求められるため、自由な設計が難しい場合があることを念頭に置いておきましょう。

一方で、この条例のおかげで、趣のある美しい街並みが未来にわたって維持されるという大きなメリットがあります。

家を選ぶ際は、希望するエリアが景観計画区域に含まれているか、どのようなルールがあるかを事前に確認することが不可欠です。

自動車の必要性とライフスタイルのすり合わせ

JR近江八幡駅周辺は公共交通機関や商業施設が充実しており、車がなくても比較的快適に暮らせます。

しかし、駅から少し離れた郊外や琵琶湖沿いのエリア、安土町周辺などでは、スーパーや病院への移動、子どもの送迎などに自動車が必須となる場面が多くなります。

これらのエリアで物件を探す場合は、駐車場の有無（2台分以上必要かなど）や、前面道路の幅、冬場の積雪なども考慮に入れる必要があります。

ご自身のライフスタイルを鑑み、どの程度自動車を利用するのかを明確にした上で、エリアや物件を絞り込んでいくと良いでしょう。

近江八幡市の特徴を活かしたエリアの選び方

一口に近江八幡市と言っても、エリアごとにその表情は大きく異なります。

ご自身のライフスタイルや価値観に合ったエリアを選ぶことが、満足度の高い移住生活の鍵となります。

利便性と歴史情緒を両立する「JR近江八幡駅周辺エリア」

京都・大阪への通勤・通学を重視する方や、買い物などの利便性を最優先したいファミリー層には、JR近江八幡駅を中心とした市街地エリアがおすすめです。

駅の北口・南口にはイオンやアル・プラザといった大型商業施設、多数の飲食店、銀行、病院が集積しています。

新快速停車駅であるため、都市部へのアクセスは抜群です。

それでいて、少し足を延せば八幡堀の歴史的な風景に出会えるのもこのエリアの魅力。都会的な利便性と、古都の風情の両方を享受したい方に最適なエリアです。

豊かな自然とスローライフを求める「湖岸・水郷エリア（長命寺・安土など）」

琵琶湖の雄大な景色を日々眺めながら、穏やかに暮らしたいという方には、長命寺町や安土町などの湖岸・水郷エリアがぴったりです。

窓から琵琶湖が見える物件や、家庭菜園が楽しめる広い土地付きの物件も見つけやすいでしょう。

カヌーや釣り、サイクリングなどのアクティビティが趣味の方にとっては最高のロケーションです。

市街地の喧騒から離れ、自然の中で子育てをしたいと考えるファミリーにも人気があります。

ただし、前述の通り、自動車は生活必需品となるため、その利便性も併せて検討することが重要です。

まとめ

近江八幡市は、歴史的な街並みという「過去」の資産、琵琶湖や水郷という「自然」の恵み、そして京阪神へ繋がる「未来」への利便性が見事に融合した、非常にユニークで住みやすい街です。

家を選ぶ際には、景観条例などの市独自のルールを理解し、ご自身のライフスタイルと自動車の必要性をよく考えることが大切です。

そして、利便性を求めるのか、自然豊かな環境を重視するのかによって、最適なエリアは大きく変わってきます。

この記事を参考に、ぜひ一度現地を訪れ、八幡堀のほとりを歩き、琵琶湖から吹く風を感じてみてください。

きっと、あなたにぴったりの暮らし方が見つかるはずです。